君を想うとⅡ~Secret love~
◆何角形?
「一ノ瀬……」
センパイは戸惑うように
震える声で私の名前を呼ぶ。
動揺してる。
明らかに動揺してる。
でも…
許してなんてやらない。
あたしはセンパイを抱きしめる力を更に強くする。
「友達にも彼女にも婚約者にもなれないなら…、最後に抱いてよ。
めちゃくちゃに…してよ…。」
優しくなんてしなくていい。
気持ちなんてなくていい。
センパイがこの部屋を出て行ったその時に、泡のように消える2人の関係なら。
爪痕を残して欲しい。
あたしの体と心に。
「抱いてよ。そしたら…諦めるから。
全部全部、忘れるから。」
そう言って。
しめり気の残るセンパイのキレイな唇にキスをしようと顔を近づけたとき。
「高宮!!!!」
「ダーメッ!!アレがないと美味しくできないのっ。」
「バカ!!行くなって言ってるだろ!?」
ガチャン
これでもかっていう最悪のタイミングで。
リビングの扉の開く音がした。