君を想うとⅡ~Secret love~
「センパイ…、もしかして……」
あたしは恐々、センパイに訊ねる。
お願い。
どうか、真実は知らないでいて。
水島亜美と付き合っていながら、伊織に手をだした罪悪感だけでいて。
そんなあたしの淡い願いは。
「亜美のお腹の子は…、俺の子じゃねぇ。
…祐吾の子どもだ…。」
静かで悲しい、
彼の言葉に全てを吹き飛ばされた。
「亜美と祐吾をそこまで追い込んだのは、俺だ…!!
俺が伊織を忘れられないから。この気持ちがみんなを不幸にしちまう。
もう…逃げられるものなら逃げ出してぇ……。」
そう言って。
センパイは泣いていた。
伊織を好きだと
忘れられないと言って。
センパイは…泣いていた。