君を想うとⅡ~Secret love~




「どうして……。」






意味がわからない。



なんでそんな大事なコト伊織に言わなかったの?




打ち明けたらあの子の気持ちも変わったかもしれないのに。









震える瞳を向けてセンパイを見ると

センパイはフッと笑って




「言ったら何かが変わったと思うか?」





と、私の目を見返した。








「伊織に言ったら…部長じゃなく俺を選んだと思うか?」









その目はどこか寂しそうで、

どこか怒りに満ちている。








「それを言えばな。
一瞬。一瞬アイツは揺らいでくれたかもしんねぇけど…。

それじゃ意味なんてないだろ?」







そう言って、センパイは自分の手のひらをグッと握りしめる。








「それじゃ意味ねぇんだよ。
俺は同情なんかで選ばれたくなかった。部長と同じラインに立って、正々堂々と勝負したかったんだよ。」






< 118 / 476 >

この作品をシェア

pagetop