君を想うとⅡ~Secret love~
「どうして……。」
意味がわからない。
なんでそんな大事なコト伊織に言わなかったの?
打ち明けたらあの子の気持ちも変わったかもしれないのに。
震える瞳を向けてセンパイを見ると
センパイはフッと笑って
「言ったら何かが変わったと思うか?」
と、私の目を見返した。
「伊織に言ったら…部長じゃなく俺を選んだと思うか?」
その目はどこか寂しそうで、
どこか怒りに満ちている。
「それを言えばな。
一瞬。一瞬アイツは揺らいでくれたかもしんねぇけど…。
それじゃ意味なんてないだろ?」
そう言って、センパイは自分の手のひらをグッと握りしめる。
「それじゃ意味ねぇんだよ。
俺は同情なんかで選ばれたくなかった。部長と同じラインに立って、正々堂々と勝負したかったんだよ。」