君を想うとⅡ~Secret love~
あたしは聖人君子じゃない。
伊織みたいに真面目に恋愛するタイプでもない。
だから…仕方ないでしょ?
ずっとこれから先、何年も恋心だけで過ごしていくなんて…きっとあたしには無理だと思うから。
「…適当に遊びながら待ってるわ。
センパイが振り向いてくれるのを…、センパイの一番近くの特等席でずっと待ってる。」
そう言って、フンワリ笑うと。
あたしはセンパイの唇に軽く触れるだけのキスをした。
そんなあたしを見て
「一ノ瀬は…バカだな…。」
と、優しく笑った。