君を想うとⅡ~Secret love~
今さらだけど…
やっぱり、桐谷慎はキレイだ。
桐谷慎の後ろには夕焼けで真っ赤に染まる空と雲。
騒がしい喧騒に、そびえ立つビル群。
その全てが一枚の絵のように、桐谷慎を美しく彩る。
赤く染まる髪も、瞳も、彫刻のようにキレイなその顔立ちはもちろん。
右手に持たれたタバコすら、セクシーで…ドキドキする。
「………。」
そんな綺麗な桐谷慎に見とれていると
「何?見とれちゃった?」
彼はクスッと笑って私の顔を覗きこむ。
「ま、まさかっ!!!!バカなこと言わないで!!!!」
本心を言い当てられて、私の顔がだんだん熱くなる。
ヤバい。
きっと今、私の顔はタコみたいに赤くなってる。
そんな上気した顔を見られたくなくて、桐谷慎からプイッと顔を背けると。
「素直じゃないね。」
桐谷慎は私のアゴをクイッと持って、無理やりに正面を向かせた。