君を想うとⅡ~Secret love~
「もう知らない!!」
桐谷慎の手のひらにキリマンジャロを押しつけて、プイッとそっぽを向いて帰ろうとすると
「高宮。PM11時に俺の部屋。」
涙をぬぐいながら。
薄ら笑いを浮かべて桐谷慎がポツリと呟く。
「…へっ?」
意味がわからず聞き返すと
「まー…、話は後でいいや。
とにかく11時に俺の部屋に来て?」
そう言って。
桐谷慎は柔らかに微笑む。
「じゃ…また後でね、高宮。」
その言葉を聞いた後。
視界に広がるのは薄茶の髪に筋の通った鼻筋。
私は…桐谷慎に…熱くて甘いキスをされてしまっていた。
――桐谷慎…。
やっぱり好きだ。
悪魔でイジワルで寂しがりやな彼に……
私は完全に溺れてる。