君を想うとⅡ~Secret love~
「申し訳ありません。
せっかくのお誘いなのですが、今日は先約がありますので…。」
体よく、やんわり断ろうとお仕事モードで微笑むと。
「あぁ。約束って慎と?」
はいっ?
早坂さんは予想もしない一言を私に投げた。
し、慎?
今この人、慎って呼んだ?!
いまだかつて桐谷慎のコトを“慎”と呼ぶ生き物を初めて見た私は。
おめめを点々にしながら、じーっと早坂さんを見つめてしまった。
「あれっ?違うの?」
「はっ???」
「おっかしいなー。
慎からは彼女だって聞いてるけど。」
そう言って。
早坂さんは“うーん”と首をかしげた。