君を想うとⅡ~Secret love~
うそ……。
うそでしょ、桐谷慎。
「多分イブはこの香水の匂いよりも、名前が気に入ってたんだろうけどね。」
申し訳なさそうに話す、早坂さんの言葉は私の心に届かない。
私が桐谷慎の香りだと思っていた匂いは…、イブの匂いだったの??
桐谷慎はやっぱりイブのコトを忘れられないの…??
ズタズタだ。
心の中がズタズタで、行き場のない悲しみが胸の中で渦巻いている。
どうしてイブの匂いを身につけて私を抱いたの?
どうして……。
そんなひどいコトができたの??
気がつくと。
私の頬にはツゥと一筋の涙がつたっていた。