君を想うとⅡ~Secret love~





早坂さんは泣きじゃくる私の右手を握ったまんま。




信号で引っ掛かる度に申し訳なさそうに、

盗み見るように私の顔をチラリと見る。






知りたく…なかった。

こんな悲しいコト、知りたくなんてなかったよ。










いつまでたっても涙の止まらない私を見て、早坂さんは困ったようにため息をつく。







「慎も…ひどい男だな。」


「……。」


「イブにそっくりな君を側に置くなんて…。
俺にはイブの代わりとして、君を見てるとしか思えないよ。」








早坂さんの言葉は。

私を奈落の底に突き落とすに、等しい一言だった。





< 205 / 476 >

この作品をシェア

pagetop