君を想うとⅡ~Secret love~
早坂さんは泣きじゃくる私の右手を握ったまんま。
信号で引っ掛かる度に申し訳なさそうに、
盗み見るように私の顔をチラリと見る。
知りたく…なかった。
こんな悲しいコト、知りたくなんてなかったよ。
いつまでたっても涙の止まらない私を見て、早坂さんは困ったようにため息をつく。
「慎も…ひどい男だな。」
「……。」
「イブにそっくりな君を側に置くなんて…。
俺にはイブの代わりとして、君を見てるとしか思えないよ。」
早坂さんの言葉は。
私を奈落の底に突き落とすに、等しい一言だった。