君を想うとⅡ~Secret love~
早坂さんの言っていることは何となくわかる。

きっと…桐谷慎の為にも私の為にも別れた方が幸せなんだろう。




だけど……


「イヤ…です。私は桐谷慎を失いたくない…。」







彼のあの声が愛しい。

私を抱きしめるあの腕も、桐谷慎のくれるあの安心感も。

“好きだよ”とイジワルく微笑むあの笑顔も。





全て。

彼を形作る、彼の全てが私は愛しい。







「ムリです。
私は桐谷慎が…好きなんです。」









誰よりも何よりも愛しいんです。


離れることなんて…絶対に出来ない。










涙も拭かずに。

ただ前を見据えて。






桐谷慎が好きだと伝えると早坂さんは苦しそうな顔をしたまま…



「キミは…バカだね。」




そう言って私をギュッと抱きしめた。





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