君を想うとⅡ~Secret love~
・交錯する気持ち
怖い。
怖いよ、桐谷慎。
早坂さんの存在が私とアンタの関係を変えていく。
何も知らず、
何も気づこうとしなかった、
つい数時間前の屋上のあの幸せな時間には戻れそうにない。
「桐谷…慎……。」
スーツの裾をギュッと握りしめながら、彼の顔を見上げると。
「大丈夫。とりあえず…、俺の部屋に行こう。」
真顔でまっすぐ前を向きながら。
桐谷慎は私の肩をギュッと抱き寄せた。