君を想うとⅡ~Secret love~
桐谷慎の部屋にたどり着くまで、私たちは一言も言葉を交わさなかった。
桐谷慎が何を感じ、何を考えてるのかはわからない。
だけど…
抱き寄せられる度に香る、Happyの匂いが私の胸を苦しくさせた。
ガチャリ
重い扉を開くと目の前にに広がるのは桐谷慎のお洒落な部屋。
いつもはここに来るのが楽しみで。
彼と過ごす空間がとても心地いいと感じていたのに。
何故か今日は…、気持ちが重い。
私が玄関の中に入るのを躊躇していると。
「おいで?」
傷ついたような顔をして。
桐谷慎は苦しそうに呟いた。