君を想うとⅡ~Secret love~
桐谷慎のワイシャツの袖口をキュッと握ると
「うん。知ってる…。」
桐谷慎は私をギュッと抱きしめ返した。
「俺の過去にはいつも必ずイブがいるから…、高宮にはあんまり話したくなかった。」
そう言って。
抱き寄せられた桐谷慎の胸元から香るのは…Happyの匂い。
苦しい。
苦しいよ、桐谷慎。
『私がアンタを幸せにしてあげる!!』
なんて大口叩いたクセに苦しいの。
アンタの中のイブがどれだけ大きくて、
かけがえのないもので、
大切で、
忘れられない存在なのかを知っているから。