君を想うとⅡ~Secret love~



「私のコト…好き…?」





両手を伸ばして桐谷慎の頬をそっと包むと。
桐谷慎は私の右手をギュッと握って



「…あたりまえでしょ?」



と微笑む。








「愛してるよ、高宮。
俺が君にどれだけ溺れてるか、どうやったら伝わる?」




そう言って。
桐谷慎は繋がれたままの私の右手に、チュッと甘いキスを落とした。










「…ほんとに?ほんとに私のこと好き…?」


「うん。言ったでしょ?
高宮に嘘はつかない…って。」









そう言って、私をギュッと抱きしめる桐谷慎。









しっとりと汗で湿った彼の皮膚。

彼の体温。

柔らかい茶色の髪。








彼を形作るその全てが愛しい。




“好きだよ”と囁くあの声が好き。







私が彼を好きで、

彼も私を好きでいてくれる。





そんな奇跡を嬉しく思うのに…。





イブのコトを思うと胸の奥がギューっと傷んだ。





< 258 / 476 >

この作品をシェア

pagetop