君を想うとⅡ~Secret love~
「私のコト…好き…?」
両手を伸ばして桐谷慎の頬をそっと包むと。
桐谷慎は私の右手をギュッと握って
「…あたりまえでしょ?」
と微笑む。
「愛してるよ、高宮。
俺が君にどれだけ溺れてるか、どうやったら伝わる?」
そう言って。
桐谷慎は繋がれたままの私の右手に、チュッと甘いキスを落とした。
「…ほんとに?ほんとに私のこと好き…?」
「うん。言ったでしょ?
高宮に嘘はつかない…って。」
そう言って、私をギュッと抱きしめる桐谷慎。
しっとりと汗で湿った彼の皮膚。
彼の体温。
柔らかい茶色の髪。
彼を形作るその全てが愛しい。
“好きだよ”と囁くあの声が好き。
私が彼を好きで、
彼も私を好きでいてくれる。
そんな奇跡を嬉しく思うのに…。
イブのコトを思うと胸の奥がギューっと傷んだ。