君を想うとⅡ~Secret love~
・香りの記憶
~side 慎~
生まれたままの姿で。
シーツに身を包みながら細い寝息をたてている高宮。
「ちょっと…やりすぎたかな。」
今日は…
いつも以上にアイツに無茶をさせた気がする。
俺は上半身を起こして、近くにあったタバコに火をつけると
「ごめんな、高宮。」
そう囁いて、誰よりも愛しい彼女の頭を撫でた。
そして…
ベッドのサイドテーブルに置いてあったHappyのビンを手に取る。
20年近く慣れ親しんだこの香り。
高宮に“この香水は母親の香りだ”と言ったのも本当。
だけど…
龍の言った“Happyはイブの香りだ”っていうのも…実は本当なんだ。