君を想うとⅡ~Secret love~
だから高宮に言った“母親の香り”っていうのも龍が言った“イブの香り”っていうのも、どっちも本当。
この香りは俺にとっては特別な香りだから、急に捨てることは難しい。
イブだけの思い出なら。
目の前で無防備に眠る君の為に、すぐに捨てることができるけど…。
この香りは俺たち家族の大切な絆だから。
捨て去るには勇気がいる。
だけど…
この香りが高宮を苦しめるだけの存在なら、捨て去るべきなのかもしれない。
「泣かせてごめんな、高宮…。」
俺は誰よりも愛しいあいつの唇に。
懺悔の気持ちを込めてキスを落とした。