君を想うとⅡ~Secret love~
だけど…
桐谷慎に“他に好きな人が出来た。彼女ができた”って言われたら…。
正気じゃいられないと思う。
“おめでとう”だなんて…、死んでも言えそうにない。
「しゅーちゃんは…過去だよ。
しゅーちゃんにときめいちゃうのは、しゅーちゃんのことが大好きだった頃の自分……なんだと思う。」
桐谷慎は私の言葉に眉をひそめるでもなく、反応するでもなく。
冷静に
淡々とした表情で聞いていた。
「だけど、やっぱりその気持ちは過去の思い出と同じなんだと思う。
大好きだった人だから簡単に嫌いになったり、無視したりは出来ないけど……、しゅーちゃんへの気持ちは……全部過去のモノだよ。」
「………。」
「桐谷慎。
私が今、好きなのも、欲しいと思ってるのも。
この手を離したくないと思ってるのも……アンタだけだよ……。」