君を想うとⅡ~Secret love~



「急いては事を仕損じる。
ここは桐谷くんの指示を仰ごう。」






そうキッパリと言い切る田中さんは、いつもの穏やかな平社員じゃない。


キリリとした表情には安心感があって、その言葉のトーンには安定感があった。







「だけどこのままじゃ…!!!」







焦るしゅーちゃんの肩をポンと叩くと






「大丈夫。ピンチはチャンスだ。
桐谷くんならこのピンチをちゃんとチャンスに変えられる。

僕たちはそれを信じよう。

彼なら大丈夫。
僕たちは彼を信じて、支えよう。」






そう言って田中さんはニッコリ笑う。








「課長、とりあえず桐谷くんに連絡しましょう。
早坂オーナーとのやり取りの詳細は課長が一番ご存知だと思いますので…、連絡は課長にお任せして構いませんか??」




「あ…、あぁ。大丈夫だ。」



「じゃあ藤堂くん。
僕たちは桐谷くんを工場まで迎えに行こう。」



「……はい!!」




< 289 / 476 >

この作品をシェア

pagetop