君を想うとⅡ~Secret love~
「急いては事を仕損じる。
ここは桐谷くんの指示を仰ごう。」
そうキッパリと言い切る田中さんは、いつもの穏やかな平社員じゃない。
キリリとした表情には安心感があって、その言葉のトーンには安定感があった。
「だけどこのままじゃ…!!!」
焦るしゅーちゃんの肩をポンと叩くと
「大丈夫。ピンチはチャンスだ。
桐谷くんならこのピンチをちゃんとチャンスに変えられる。
僕たちはそれを信じよう。
彼なら大丈夫。
僕たちは彼を信じて、支えよう。」
そう言って田中さんはニッコリ笑う。
「課長、とりあえず桐谷くんに連絡しましょう。
早坂オーナーとのやり取りの詳細は課長が一番ご存知だと思いますので…、連絡は課長にお任せして構いませんか??」
「あ…、あぁ。大丈夫だ。」
「じゃあ藤堂くん。
僕たちは桐谷くんを工場まで迎えに行こう。」
「……はい!!」