君を想うとⅡ~Secret love~
「だから…キミに初めて会った時、クギをさされた。」
「…へっ??」
クギ??
そんなの初耳ですけど!!!!
キョトンとしながら早坂さんの顔を見つめると。
早坂さんはプッと笑ってこう言った。
「アイツに言われたよ。
“高宮には手を出すな”…ってね。」
そう言って。
早坂さんは優しい目をして私の頭をヨシヨシ撫でる。
こうしてると、普通にいい人なのに。
桐谷慎と同じくらい、この人はこの人で苦しんでるんだ。
イブを愛しているから。
その理由だけでこの人は悪魔にも天使にもなれる。
不器用で一本気なまっすぐな人。
私は…
少しだけ。
本当に少しだけだけど早坂龍という男の素顔が、その一瞬で少しだけ見えた気がした。