君を想うとⅡ~Secret love~
頭がイタくなりながら。
早坂さんに手首を掴まれたまま二人の低レベルな争いを聞いていると。
「ま、Vネックだかタートルネックだか言ってる意味はよくわかんねーけどよ。
慎、お前はどうでる気なんだ?」
早坂さんは私を掴んでいた手をパッと離して、ポケットに潜ませていたタバコを口に軽くくわえる。
「別に?深くは考えてないよ?」
「アホか。お前と何年幼なじみやってると思ってる?
お前がエグいくらいに気転のきくヤツだってコトは、こっちはお見通しなんだよ。」
フンと鼻を鳴らしながら。
早坂さんは桐谷慎をバカにしたような瞳で見下ろす。
二人の火花がバチバチ飛ぶ中。
私は丸出しになっている上半身を必死に整えて。
ベッドの上で体を起こしながら二人のやり取りを聞いていた。