君を想うとⅡ~Secret love~
私が上半身を起こしたのを確認すると。
桐谷慎はしゅーちゃんの目隠しを取って
「高宮、コレ羽織ってろ。」
自分のスーツの上着を私に向かってバサッと投げた。
「…ったく。どんだけ目隠しすりゃ気が済むんですか。
独占欲強すぎですよ、部長は。」
「うるさいな~。
それは藤堂も同じでしょ?」
困ったように笑う桐谷慎と、不満げに桐谷慎を見つめるしゅーちゃん。
桐谷慎のくれた上着を羽織りながら。
「藤堂だって元カレに高宮のセミヌードは見せたくないでしょ?」
「っつーか俺は、部長に伊織のヌードを見られるのが一番イヤです。」
「ハイハイ。
女々しいね~、元カレの遠吠えって。」
「ハイハイ、略奪男にはわからないでしょうね。
俺の気持ちなんて。」
「バーカ。
取られる男が悪いんだよ。」
完全に私と早坂さんを無視して、低レベルな痴話喧嘩を始める二人。
ちょっと!!
アンタ達、真剣に早坂さんと話をしなさいよっ!!!
私はなんだか寂しい気持ちになりながら。
二人の低レベルな争いを聞いていた。