君を想うとⅡ~Secret love~
「そうだろ?龍。」
「……。」
「高宮とイブは全くの別人。
それがわかればわかるほど、お前の頭と体は高宮伊織という存在を拒否しはじめる。」
表情一つ変えないまま桐谷慎が私たちに近づく。
「龍。
お前がイブを求めれば求めるほど高宮の存在が異質に感じて、気持ち悪くなる。
どうだ、違うか。」
悪魔で冷静に。
桐谷慎は早坂さんを追い詰める。
「…違う!!俺の気持ちなんて何にもわかってねークセに!!!
知ったかぶって、したり顔して、説教たれんじゃねーよ!!」
私の耳元で早坂さんが叫ぶ。
だけどそんな彼の言葉には耳を貸さずに。
桐谷慎は歩みを止めずに真っ直ぐに私に向かって歩いてくる。