君を想うとⅡ~Secret love~
・求めるもの
ポカンとする3人をヨソに大爆笑を続ける大人、約1名。
なんだか心配になって
「ちょっと…、アンタこの状況理解してる??」
と訊ねると、桐谷慎は涙をぬぐって私の頬に優しくそっと手を当てた。
「ハイハイ、ちゃんと把握してるよ。」
そう言って、私の瞳をじっと見つめること、約数十秒。
最後にフッと笑うと桐谷慎は私の唇に、熱くて、甘い、触れるだけのキスを落とした。
ちょ…っ!!!!!
この非常事態になんてコトしてんのよ!!!!!!!
なんの脈絡もない彼の行動に驚いて、
「…~!!!!
バカッ!!なんで今キスすんのよ!!!!!」
顔を真っ赤にしながら彼をキッと睨むと。
「だって高宮が可愛かったから。
気が強くて、泣き虫で、信念を変えない、まっすぐな高宮伊織が好きだと思った。
だからキスした。
他に…理由なんて必要ないでしょ?」
そう言って微笑むと。
桐谷慎は私の手をグッと引っ張って、早坂さんの腕の中から私を奪い返した。