君を想うとⅡ~Secret love~
「龍、わかったろ?
高宮じゃイブの代わりにはならない。
イブの代わりなんて…どこにもいない。」
私の頭をヨシヨシしながら。
桐谷慎は早坂さんに静かに、だけど厳しい瞳をして訴える。
「龍、俺は高宮がイブにそっくりだから…って理由で高宮を彼女にしてるんじゃないよ。」
そう言って桐谷慎は私の顔を両手で包んで、私に上を向かせる。
「ただ好きになっただけなんだよ。
高宮伊織という、少し不器用でまっすぐな女の子を…ね。」
そう言って。
見てるこっちが幸せでとろけそうになるくらい、優しく、甘い眼をして。
桐谷慎は私の顔をじっと見つめて微笑んでいた。