君を想うとⅡ~Secret love~





唇が切れたのか

それとも口の中が切れたのか。




理由はわからないけど、殴られた桐谷慎のクチビルからは赤い血がツゥっと細く流れていた。





彼が左手でサッとそれを拭うと





「許さない…。
俺は許さねぇぞ、慎。
イブを奪った張本人がのうのうと幸せに生きるコトなんて俺は絶対に許さない!!」






早坂さんはツカツカと歩いて、近づいて、桐谷慎の首元をギュッと掴むと。








「幸せになんて生きさせてやらねぇ!!
イブの未来を奪ったお前に未来を語る資格なんてあるわけねぇよ!!!!」





そう言って


目を血走らせながら、すごい形相で桐谷慎を睨み上げると…。





早坂さんは、桐谷慎の頬をもう一度思いきり殴った。





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