君を想うとⅡ~Secret love~
「龍、俺はイブが死んだ後、毎日が地獄だったよ。あの日デートしなければ、あの時俺がこのホテルに来なければ…、イブはまだ生きていたのかもしれない。
俺のワガママがイブを殺したんだって何度も自分を責めた。
眠れない日なんてしょっちゅうで、気が狂いそうで。
誰か俺を殺してくれればいいのにって…ホントに思った。」
淡々と
そう語る桐谷慎の目には絶望も悲しみも何もなくて。
全てを悟ったかのような澄んだ涼しい瞳をむけて、早坂さんを見つめて語りかけていた。
そんな桐谷慎とは対照的に
「…上等だよ。
俺はそうやって苦しんでるお前が見たい。そうじゃなきゃ俺とイブは救われねぇ!!」
早坂さんは怒りに我を忘れながら、ギラついた視線を向けて心の内を叫ぶ。
そんな早坂さんを見て
私は昔、早坂さんと交わした会話を思い出していた。