君を想うとⅡ~Secret love~







そう思うと…

切なくなった。






どんなに好きだと叫んでも

どんなに彼女にキスをしたくても

どんなに彼女を抱きしめたくても



イブはもうこの世にいない。








やめたいのにやめられない気持ちに引きずられるのは苦しいだろうな。


振り返っても、答えてもくれない相手をずっと想い続けるってツラいだろうな。









逃げ場のない、不毛で悲しい恋に身を置いた10年。


早坂さんにとってこの10年は、地獄以上の何者でもなかっただろう。







桐谷慎が言っていたような寂しく哀しい毎日を…きっと早坂さんも過ごしてた。







どうしようもなく

出口もなく

後悔と虚無感だけがはびこる日々。










だけど…

同じような地獄にいると思った親友は、幸せな未来を描いていた。


イブによく似たオンナの隣で、楽しそうに笑い、愛を語り合って。





まるで…

イブ自身のことはキレイサッパリと忘れてしまったかのように。








そんな桐谷慎を見て、早坂さんはどう思っただろう。


そして私ならどう思うだろう。









『許せない』










そう思ってしまっても…

仕方のない気がした。





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