君を想うとⅡ~Secret love~
「龍、お前が俺を許せないと思うのはわかる。俺だって立場が逆なら同じコトを思ったよ。
それは…当然の感情だから仕方ない。
だけどな。
イブから逃げるのはもうやめろ!!アイツを自由にしてやれよ!!!!」
「うるさい…、
うるさい、うるさい、ウルサイ!!!!!!!」
苦しそうな、悲痛な表情を浮かべながら早坂さんは“ウルサイ”と何度も叫ぶ。
そんな早坂さんに桐谷慎は淡々と語りかける。
「龍、お前はただ現実から逃げてるだけだ!!
イブは他人の不幸を喜ぶヤツだったか?自分の為に人を傷つけるようなコトを喜ぶヤツだったか?
俺たちのホレたオンナはそんなくだらないヤツだったか!!??」
「ウルセぇっ!!!!
黙れ、慎!!!!!!」
早坂さんは目を真っ赤にしながら“違う!!”と何度も首をふる。
「龍、お前はイブの気持ちを代弁してるんでも何でもない。ただお前の苦しみを俺にぶつけてるだけだろ?
俺がイブのコトで苦しむ姿を見ると、お前は心がスッとするんだ。
その度にお前は自分の心が救われたかのように錯覚する。
そんな…自分の苦しみを救うためだけの行為にイブの名前を出すんじゃねーよ!!!!!!!!」
そう言って。
桐谷慎は怒りの表情をむけると。
初めて早坂さんに手をあげた。