君を想うとⅡ~Secret love~
そんな私を見てフフッと笑うと
「彼女と別れていろんなヤツと付き合ったけど…。
今になって思えば、俺は伊織以上の女を探してたんじゃなくて…“高宮伊織”を探してたんです。
伊織以上のオンナを求めてるつもりで…、ホントはいつも伊織を求めてた。
表面では“忘れたい”と言いながらも、裏側では忘れたい気持ちは、さらさらなかった。
それに…友達は気づいたんです。」
そう言って。
“こんなカッコわりぃコト、ホントは本人の前で言いたくないですけどね。”
しゅーちゃんがバツが悪そうに微笑む。
しゅーちゃんが…
あの時間を語ってくれなかった理由が少しずつ明るみになっていく。
だけど…
その全部を聞いてしまったら。
もう後戻りが出来ない気がして。
穏やかな関係の二人には戻れない気がして。
どこまでも甘ちゃんな私は
その全部を聞いてしまうことが何よりも怖かった。