君を想うとⅡ~Secret love~



「違う!!俺は…、俺は!!」





涙を拭いながら。

力なく呟く早坂さんを見ていると胸の奥がキュゥっとしめつけられる様に痛くなった。






早坂さんは…、イブを愛しているだけなんだ。




血をわけた実の妹ではあるけれど“早坂伊吹”という女の子を…愛しているだけ。

忘れられないだけ。






そして…

彼女を忘れてしまいそうになる自分自身を許せないだけ。




なんて…
苦しい片想いなんだろう。






……気がつくと

私は一歩ずつ早坂さんのいる方へと足を進めていた。




知らず知らずのうちに私の頬には熱いものが流れていた。




ゆっくりゆっくり歩いて行って。

早坂さんの目の前にゆっくり座ると、早坂さんは弱りきった仔犬のような目をして。




「…イブ……。」




私をじっと見つめていた。






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