君を想うとⅡ~Secret love~
目の前には何かにすがるような目で私を見つめる早坂さん。
「イブ…、イブ…っ!!!!」
彼女の名前を呼んで大きな瞳からポロポロと涙を流す彼を。
「…バカ……。」
私はそっと優しく抱きしめた。
何でそうしたのかはわからない。
だけど、イブならこうしたんじゃないかな…って思ったんだ。
“もういいよ”
“大丈夫だよ”
って。
彼女ならそう言う気がした。
早坂さんの心をほぐす準備はしゅーちゃんがしてくれた。
だから…
次は私の番。
早坂さんはきっとイブじゃなきゃ救えない。
彼女の言葉でしか彼を解き放つコトはできないんだ。
だけど…彼女はもうこの世にはいない。
だけど、ここには彼女にそっくりな顔をした私がいる。
私はイブにはなれないけれど…、
イブの変わりに早坂さんのほしい言葉をあげることなら、きっとできる。