君を想うとⅡ~Secret love~



「人を憎まなきゃ続けられない想いなんて捨てればいい。そんなつまらない気持ち、愛なんかじゃない。」




しゅーちゃんの言葉に早坂さんの背中がピクリと揺れる。








「早坂さん、俺はね。
愛はいつも側にあるものじゃなく、気づけばそこにあるものだと俺は思います。」






私も桐谷慎も。

この部屋にいるみんながしゅーちゃんの発したその一言に釘付けになった。







そんな空気の中。

柔らかな空気をまといながら、しゅーちゃんはこう言った。







「俺は今でも伊織を愛しています。

愛の形は違うけど、彼女の笑顔をいつも見守っていたいと思う。だけど振り向いて欲しいとか部長から奪いたいとは思わない。


伊織が幸せそうに笑っていてくれれば…、それで俺は満足です。」




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