君を想うとⅡ~Secret love~
「ま、先にケンカ吹っ掛けてきたのはお前が先なんだからな?
俺はそのケンカを買ったまでだよ。」
フフンと鼻を鳴らす桐谷慎に
「お前…、母ちゃんをゆすったな…!!??」
早坂さんは涙目になりながら桐谷慎をキッと睨む。
そんな早坂さんを
「はあ?ゆすったなんてとんでもない。
オバチャンには泣きついただけだよ。“龍が俺をいじめるから助けて~!!”ってな。」
桐谷慎はバカにしたようにフッと笑う。
「こンの鬼畜男~っ!!
お前には恥って言葉がねーのか!!」
「は?そんなもんないね。俺は勝つために手段は選ばない男だもん。」
「…~っ!!!お前って男は~っ!!!!!」
じゃれあうように取っ組み合いを始めた二人をボーゼンと見つめていると。
しゅーちゃんがこっそりと私に耳打ちした。
「SGスイミングスクールの理事長は、早坂さんの母親みてぇなんだよ。」
…と。