君を想うとⅡ~Secret love~



「俺が音信不通な状態になれば、必ず誰かが神奈川工場に来ると思った。
俺の中では田中課長が来るかと思ったけど…、藤堂と田中さんが来てくれたのは嬉しい誤算だったよ。」




そう言って桐谷慎はしゅーちゃんに軽くウィンクをする。









「ま…、水着の件も、高宮を拉致するあたりも想定の範囲内だよ。
お前が何かコトを起こすとしたらあの事故の原因になったベイサイドホテルしかないと思ってた。」






ニコニコしながら早坂さんの肩を叩く桐谷慎を怯えた瞳で私としゅーちゃんが遠くからみつめる。


そんな私達の視線に気づいてんのか気づいてないのか。



桐谷慎は営業用のエンジェルスマイルを振りかざして、こう言い切った。









「いや~、知恵くらべに負けたらどうしようかと思ったけど…。

良かったよ、お前が平凡な思想の男で♪」








桐谷慎は。

今まで見たこともないような満足げな天使のような悪魔な笑みを浮かべて。


アハハ~と高らかに笑いやがった。





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