君を想うとⅡ~Secret love~
そんな私を見て呆れたように、困ったように桐谷慎は微笑む。
“なんて顔してんの”と笑いながら桐谷慎は私に向かって、まっすぐに歩き出す。
そして私の目の前でピタリと止まると
「だけど心の真ん中にいるのは…、コイツなんだ。
29歳の俺は高宮のコトをずっともっと愛してる。」
そう言って、桐谷慎は私の体をグイッと引き寄せ抱きしめた。
温かい彼の体。
少し背の高い私をスッポリと覆えるほどの、彼の長身。
筋肉質な腕。
そして…スラリと長いキレイな指先。
彼を形作る全てのモノにドキドキしながら、彼の腕に抱きしめられていると
「イブ以外の誰かを愛するコトは、結果的にアイツを裏切っている行動なのかもしれない。
だけど…、俺は高宮の手を離す気はない。高宮と一緒に未来を見たい…。」
そう言って。
桐谷慎は私の体を更に強い力で抱きしめた。