君を想うとⅡ~Secret love~



そんな私を見て呆れたように、困ったように桐谷慎は微笑む。


“なんて顔してんの”と笑いながら桐谷慎は私に向かって、まっすぐに歩き出す。



そして私の目の前でピタリと止まると




「だけど心の真ん中にいるのは…、コイツなんだ。
29歳の俺は高宮のコトをずっともっと愛してる。」




そう言って、桐谷慎は私の体をグイッと引き寄せ抱きしめた。








温かい彼の体。

少し背の高い私をスッポリと覆えるほどの、彼の長身。

筋肉質な腕。

そして…スラリと長いキレイな指先。







彼を形作る全てのモノにドキドキしながら、彼の腕に抱きしめられていると






「イブ以外の誰かを愛するコトは、結果的にアイツを裏切っている行動なのかもしれない。

だけど…、俺は高宮の手を離す気はない。高宮と一緒に未来を見たい…。」





そう言って。

桐谷慎は私の体を更に強い力で抱きしめた。










< 411 / 476 >

この作品をシェア

pagetop