君を想うとⅡ~Secret love~



桐谷慎……。





あ~、バカだな。

私ってバカオンナかもしれない。








理央がここにいたら、きっと言われる。


『アンタって最高に都合のいいオンナよね。』


って。







さっきのさっきまで嫉妬に狂っていたクセに。



彼に優しい言葉をかけられて、抱きしめられたら…
アッという間に彼の全部を許してしまう。





は~、バカだな。

私って簡単なオンナだ。







桐谷慎の腕の中で生まれたのは自己嫌悪と満足感。






そんな私をなだめすかすように。
ヨシヨシと頭を撫でると、桐谷慎は私の顔を見つめてニッコリと微笑みかける。






「好きだよ、高宮。
こんな言い分ズルいのはわかってるけど…、高宮の手を離したらボク死んじゃう。」







そう言っておどけたように、子どものように笑う桐谷慎の顔をみると胸の奥が熱くなる。




< 412 / 476 >

この作品をシェア

pagetop