君を想うとⅡ~Secret love~
桐谷慎……。
あ~、バカだな。
私ってバカオンナかもしれない。
理央がここにいたら、きっと言われる。
『アンタって最高に都合のいいオンナよね。』
って。
さっきのさっきまで嫉妬に狂っていたクセに。
彼に優しい言葉をかけられて、抱きしめられたら…
アッという間に彼の全部を許してしまう。
は~、バカだな。
私って簡単なオンナだ。
桐谷慎の腕の中で生まれたのは自己嫌悪と満足感。
そんな私をなだめすかすように。
ヨシヨシと頭を撫でると、桐谷慎は私の顔を見つめてニッコリと微笑みかける。
「好きだよ、高宮。
こんな言い分ズルいのはわかってるけど…、高宮の手を離したらボク死んじゃう。」
そう言っておどけたように、子どものように笑う桐谷慎の顔をみると胸の奥が熱くなる。