君を想うとⅡ~Secret love~
単純だな。
簡単だな、私。
桐谷慎は天才だ。
私をバカで都合のいいオンナにさせる天才だ。
ズルい。
私がアンタに夢中なコト知っててそんなこと言うんだもん。
目の前には、私を見つめて子どものように微笑むドSな部長。
そんな彼の大きくて厚い胸にコツンとオデコを当てて。
「そんなの……、知ってるよ。
言ったでしょ?
“アンタは私が幸せにしてあげる”…って。」
そう言って彼の腰に手を伸ばすと
「うん…、知ってる…。」
桐谷慎はいとおしそうに
私の体を優しく柔らかく抱きしめた。