君を想うとⅡ~Secret love~




単純だな。

簡単だな、私。





桐谷慎は天才だ。

私をバカで都合のいいオンナにさせる天才だ。








ズルい。

私がアンタに夢中なコト知っててそんなこと言うんだもん。








目の前には、私を見つめて子どものように微笑むドSな部長。


そんな彼の大きくて厚い胸にコツンとオデコを当てて。








「そんなの……、知ってるよ。
言ったでしょ?
“アンタは私が幸せにしてあげる”…って。」








そう言って彼の腰に手を伸ばすと








「うん…、知ってる…。」








桐谷慎はいとおしそうに
私の体を優しく柔らかく抱きしめた。








< 413 / 476 >

この作品をシェア

pagetop