君を想うとⅡ~Secret love~
「龍……。」
早坂さんの変わりように驚いたのは私だけではなかったらしく。
桐谷慎までもが目を丸くしながら彼を見つめる。
そんな桐谷慎を見てフッと笑うと
「慎、お前のことはまだ許せそうにないし、俺はイブを忘れられそうにもないわ。」
早坂さんはそう言ってウーンと伸びをすると、ゆっくりと立ち上がる。
そして桐谷慎の瞳をまっすぐに見つめると
「だけど…、藤堂くんの言葉にグッときた。彼の素直で大きな愛に…魅せられた。
だから…
藤堂くんに免じて今回は許してやるよ。」
そう言って。
早坂さんは桐谷慎の前に自分の右手を差し出した。
???
不可解そうに眉間にシワを寄せる桐谷慎。
そんな彼を見て早坂さんは“バーカ”笑う。
「仲直りには…握手だろ?慎。」
「…龍……。」
「バーカ、グズグズすんじゃねーよ。仲直りすんの?しねーの?」