君を想うとⅡ~Secret love~
これは私の心が狭いからなのかな。
私がワガママだからなのかな。
言えそうにない。
おめでとう、だなんて
よかったね、だなんて
そんな当たり前の言葉が…悲しくて、寂しくて、言えそうにない。
そんな言葉を使ってしまったら、本当に遠くにしゅーちゃんが行ってしまう気がした。
私は…
この現実を受け止めきれる用意が出来ていなかったんだ。
「ちぇっ。こんなことなら藤堂係長を誘惑しとけばよかった。」
「なにそれ。玉の輿ねらい?」
「そっ。出世コース間違いなしなら玉の輿も間違いなしじゃん。」
「バーカ。係長には婚約者いるんだよ??
アンタにゃ無理よ。」
―…あ……。
そうだ…
しゅーちゃんには水島さんっていう婚約者がいるんだった。