君を想うとⅡ~Secret love~
静かな瞳で桐谷慎を見つめると
「…相変わらず…、高宮は自分の気持ちを騙すのが上手だね。」
呆れたような声をだして桐谷慎がハァとため息をつく。
「騙…す?」
「そう、藤堂の時もそうだったよね。
俺に強烈に惹かれてたクセに“私はしゅーちゃんが好きなんだ”ってオマエは自分を騙してた。」
感情的になるでもなく
激情するわけでもなく。
冷たい視線を私に浴びせながら、桐谷慎は淡々と私に語りかける。
「藤堂ならそれでもいいっていうだろうね。
いつか自分のコトを好きになってくれればいい……とか頭のぬるいコトアイツなら言いそうだからな。」
そう言って。
ククッとバカにしたように桐谷慎が笑う。