君を想うとⅡ~Secret love~
沈黙のまま見つめ合う時間がどれくらい続いたんだろう。
桐谷慎は私を見てハァとため息をつくと
「ここまで言ってもまだわからない?」
呆れたように私に声をかけた。
「…え……??」
言ってる意味も言われてる意味もよくわからなくて。
頭の中が真っ白になりながら彼の言葉を聞き返そうとすると
「ふーん。相変わらず…、高宮はイイコちゃんぶるね。」
「な…に…??」
「イイコちゃんの伊織ちゃん、自分で認めたくないなら言ってあげるよ。」
そう言って冷ややかに微笑むと。
彼は私の左手首をギュッときつく引っ張って、こう言った。
「高宮、オマエは藤堂を思い出になんてしちゃいない。
ホントは自分でちゃんとわかってるんだろ?」