君を想うとⅡ~Secret love~
もう…ワケがわからなかった。
私の顔は涙でグショグショで、体は緊張のあまりガチガチに固まっている。
昨日まで優しかった桐谷慎が急に私の手を離す。
あんなに独占欲の強い男が私をあっさり見捨てるなんて。
怖かった。
自分の身に何が起こっているのか
桐谷慎が何に気づかせようとしているのかが、おバカな私にはわからない。
「私の…、何がダメなのっ…!?」
嗚咽をこらえながら必死に言葉を紡ぐと
「そうじゃない。
そうじゃないよ、高宮…。
お前が悪いんじゃない…。」
彼は優しい声で私をなだめる。
「高宮。
このままいけばどのみち俺達はダメになるよ。」
「…うっ……ひっ……。」
「先入観で誤魔化すな。
倫理的な恋愛は…お前には似合わない。」