君を想うとⅡ~Secret love~
目の前には不安そうな、なんともいえない表情をした伊織。
あちゃ~~……。
こりゃマズイでしょう……。
伊織から、男にだらしないと思われてるあたしに、
オンナにだらしないと思われてる部長さん。
そんな二人が出かけるだなんて、伊織にしてみたら不安で不安でたまらないと思う。
きっと部長さんは、私の誘拐を諦めるだろう。
そう、思ったのに。
「ビーフシチューの火加減、頼むよ♪」
ってニ~ッコリ笑うと。
部長さんは私の腕をグイッと引っ張って、ポケットからBMWのカギを取り出した。