君を想うとⅡ~Secret love~
だけど…、一口目を食べ終わった時。
「一ノ瀬は…ほんとドSだよな。」
センパイはそう言って。
少し寂しそうに微笑んだ。
「は?なんであたしがドSなのよ。」
言ってる意味がわからなくて、言い返すと
「だって…、コレ作ったの伊織だろ?」
そう言って。
センパイはスプーンをお皿の上にカランと置いた。
「あ~、くそっ。
さすがにキツいわ、この味は。」
センパイはそう言うと、両マブタの上に右手を当てた。
その姿はまるで泣いているようで。
あたしの胸はズキズキ痛む。
だって…、そうでしょ?
センパイがこんな風になるのは、伊織のコトがまだ好きだから。
あの時と同じように…伊織を愛しているからだ。