ゆめのうた
「今日はね、検診だけで来たわけじゃなくて、お願いしにきたんだ」
この日の為に雑誌みて勉強したんだ。
自分の夢を叶える為に…お母さんの夢の為に。
「ん?お願い?珍しいね、何かな?」
あたしは夏樹先生の目の前に一枚の紙を出した。
「Sレコード会社新人アーティストオーディション!!第一次の面接には合格できたんだ!第二次は歌なんだけど…」
「だめ!医者として悠里ちゃんの担当医として、そんな無茶させられないよ…。確かに悠里ちゃんの身体は回復に向かってるけど、まだ油断は出来ないんだ」
予想はしてたことだけど強く否定されるとツラいな。
よし、ここは雑誌通り、涙目そして上目遣いだ!
あたしは目に涙を貯めてもう一度お願いした。