茜色
屋上に着いたのはいいものの、何から手を出すかに戸惑う。
優雅は腰が抜けてかなり放心状態。
こいつに何があったんだよ。
教えてくれよ………。
俺は優雅と同じ目線になるように、腰を下ろして言ってみた。
『なぁ、お前の過去、俺に教えてくれねぇか?』
小さく頷く優雅。
しばらくして優雅はゆっくりと話し始めた。
内容は、あまり信じがたい真実。
あんな元気なこいつの過去はかなり深い傷だった。
「もう、誰も信じられない……時々杏莉にも疑っちゃう事がある………あたしって最低…[ガバッ]
俺は優雅を強く抱き締めた
『お前は最低じゃねぇ。今まで辛かったんだ。信じられなくて当たり前だ。
でも今は俺を信じて一生分泣け。』
優雅は綺麗に一筋の涙が出た。
それから、俺にしがみつくように、一生懸命に泣いていた。
こいつは強がりすぎだ。
たまには弱音吐いてもいいじゃねぇか……。