茜色



あたしは思いもよらない決断をした。






こういうのが、
恋の力
なんだろう。






あたしは教室に戻り、何事もなかったかのようにまた、接客をし始めた。





学園祭後半になっていくにつれ、皆が
大会の代表は誰かと
ざわざわしだす。






その時、
ピーンポーンパーンポーン


放送が流れた。



〔只今から高嶺の花大会の代表、各男子、女子二名を紹介致します。〕



その言葉で、学園中が一斉に静かになる。




〔男子代表、2年、一条蓮君。神谷学君。〕




周りの女子がキャーキャー騒ぎ始める。



〔女子代表。2年、藤宮零さん〕





あいつが代表か……


ピンチだな。これで選ばれなかったら、あたしは一条に告白できない。







すごいドキドキする……



〔優雅茜さん。以上で、代表放送を終わりにします。〕




ピーンポーンパーンポーン




よ、よかったぁ。


スッゴい焦った……


でも ここからが勝負だな。







なんか あたしがあたしじゃないみたいで少し気持ち悪い。






「茜、蓮に告る?」



杏莉が後ろから聞いてきた。


杏莉も応援してくれているんだ。




『うん。ダメ元で告白する。』





杏莉は笑顔で頷いて、
「うん、わかった。」
とだけ 言ってくれた。


あたしはこういう時、頑張れ とか 応援してる って言う言葉でプレッシャーを感じてしまう。



杏莉はそれを考えてくれているんだ。






ホントに最高な親友。



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