茜色
『……お言葉はありがたいけど、お答え出来ません。ごめんなさい。』
諦めたようにため息をつく一条。
悲鳴や女子からの痛い視線。
あたしは今から一瞬にして変えてみせる。
『あたしが好きなのは、一条蓮です。付き合って下さい。』
はっ??と目を見開いて驚く一条。
その反応は生徒達も一緒だ。
「凄い展開になりましたね…。多分言うまでもないと思いますが、一条君!!返事をどうぞ!」
「………よろしくな。」
と笑顔で返事をしてくれた。
観客からは歓声と拍手で包みこまれていた。
この状況を素直に喜べるあたしはちょっと女の子らしくなったかなって思う。
『ありがとうね…。』
あたしは一条に言った。
すると観客からは見えないように手を繋いでくれた。
こうして、今年の高嶺の花大会は幕を閉じた。