茜色
「俺は、施設育ちだ。親は死んじまった。なんか借金の重みで自殺。その借金は俺に回されて暴力とか半端なかったな。でも、そん時に旬に会って金持ちのもとへ居候として生活した。借金は旬の家が返してくれた。で、中学2年頃に、学とあったんだ。そして、今に至る。」
…………大変だ。
『あたし達って友達と出会うまで1人ぼっちだったんだね……。』
「あぁ、ある意味俺達って気が合うな。」
遠い場所を見て言う一条。
その顔がとても切なくて胸が締め付けられた。
「でも今はお前も中園や学や旬だっているんだから俺らは幸せ者だ」
ぽん とあたしの頭に手を置いて言った