茜色
隣と前の 杏莉と梓と蓮もあたしが発した聞き覚えのある名前に驚きながらソイツを見ていた。
「金井 奏です。隣町から転校して来ました。よろしくお願いします。」
女子の歓声で迎えられた金井……
何故かあたしと目が合って、フッと笑った。
怖い…………
あの笑顔が何年か前まで大好きだったのに………
「大丈夫だ………。俺が守ってやる。心配すんな。」
蓮が冷静に囁いてくれた言葉
『う、うん。頼む………』
「じゃあ、金井の席は……………「優雅さんの隣じゃダメですかね?」
はっ?
何言ってんの……?
クラス全員があたしを見てくる。
「じゃあ優雅の席だけ3列にするぞ。優雅。案内頼んだぞ。」
『………あぁ。わかった。』
何も言いようがなかった
金井が近づいて来る………
泣きそう……
その時 机の下にある手を蓮がギュッと握ってくれた。
「大丈夫だから。」
そう言ってくれた。
そうだよ。
こんな奴に負けてたまるか
「茜、久しぶり」
『誰だ。お前に名前で呼ばれる筋合いはねぇんだよ』